撮影機材と編集用の机を描いた架空イメージに、採用動画の費用・撮影・編集・納品の文字

採用動画の費用を左右する条件|撮影・編集・納品の見積もり確認

採用動画の制作費を調べても、「60秒の動画を1本」という条件だけでは、届いた見積もりを比べきれません。同じ長さでも、手元の写真を編集するのか、新たに社員へ取材するのか、複数の現場で撮影するのかによって、必要な仕事が違うためです。

費用を判断するときは、撮る内容と日程、完成させる動画の種類、修正や納品後の利用条件を先に揃えます。この記事では一律の相場額ではなく、運送・建設会社が見積もり依頼に必要な条件を具体化する方法を解説します。登場する本数・日程は説明用の架空例で、推奨本数やJobProのサービス条件ではありません。

採用動画の費用は「長さ」だけでなく必要な工程で変わる

まず、自社の依頼がどの制作方法に近いかを整理します。たとえば既存の写真と説明文を使う場合は、新規撮影の必要性を減らせる一方、素材の画質・使用許諾・現在の職場との一致を確認する作業が残ります。素材があるだけで、そのまま動画に使えるとは限りません。

1拠点で社員インタビューと職場風景を撮る場合は、出演者の予定、収録場所、照明、音声、撮影できる時間帯を決めます。複数拠点や別日の仕事を見せるなら、移動、機材の再設置、各拠点での調整も見積もりの前提になります。「動画の尺は同じだから同じ金額」とは判断できません。

ONE CAREERやCINEMATOの費用解説でも、企画、撮影体制、編集、追加料金や利用条件などが確認事項に挙げられています。以下はそれらを参考にした、発注側で使うための整理方法です。各社の記事に掲載された価格帯を市場共通の相場として転記したものではありません。

予算の上限と、外せない場面を別々に伝える

「できるだけ安く」では、制作側も何を削ってよいか判断できません。予算上限があるなら税込・税別の別とともに伝え、職種理解に欠かせない場面と、余裕があれば加えたい演出を分けましょう。撮影を伴わない案と撮影する案を比べる場合も、伝えられる内容の違いを併記します。

候補者に何を理解してほしいかが決まっていない場合は、先に採用動画の構成と台本の作り方で映像・ナレーション・字幕の役割を整理すると、見積もりに必要な場面を説明しやすくなります。

企画・撮影・編集ごとに、自社と制作会社の作業を分ける

企画・取材:自社で渡せるのは素材か、確定した原稿か

会社資料を渡すことと、撮影できる台本が完成していることは別です。職種や仕事内容を聞き取る取材、構成の提案、原稿の作成、事実確認の進行を誰が担うかを確認します。自社で原稿を用意する場合も、制作会社による映像化の調整が必要かを見積もり時に聞きます。

出演者の手配や社内確認を自社で行うなら、その担当者と回答期限を明確にします。外注費だけを小さく見せるために、必要な社内作業を「作業なし」と扱わないことが大切です。

撮影:日数・拠点・収録環境を具体化する

撮影日数に加え、集合から撤収までの拘束時間、場所数、出演人数、カメラや音声収録の体制を伝えます。交通費、宿泊費、施設使用料、延長時の扱いについても、見積額にどこまで入っているかを確認します。

営業所の会議室で話す場面と、稼働中の倉庫や工事現場を映す場面では、音や立入り、安全管理の条件が違います。安全に撮れない場面は、時間帯や場所の変更、許諾済み素材の利用などを検討します。費用を抑えるために安全管理や必要な撮影許可を省く案にはしません。

編集・字幕・音声:どこまで仕上げる依頼かを示す

不要部分のカットだけか、順序の組み直し、図解、色の調整、音声の聞き取りやすさの調整まで求めるのかを揃えます。ナレーションは社員の収録、外部の読み手、音声素材などで準備が異なります。方法だけで品質や費用を決めつけず、収録・修正の範囲を確認しましょう。

字幕については、要点だけを表示するのか、発話内容を字幕にするのか、固有名詞や専門用語を誰が確認するのかを書きます。字幕を映像に焼き込む形式と、別の字幕ファイルを納品する形式も同じ依頼ではありません。

納品本数は「完成ファイル」と「別企画」を区別する

「動画を3本ください」だけでは、見積もりの前提が揃わないことがあります。1回撮影した素材から用途別に編集するのか、それぞれ取材・撮影から別に作るのかを明記します。共通素材を使っても、構成や字幕の調整が不要になるわけではありません。

架空例:横60秒1本+縦15秒2本を依頼する

次は、同じ撮影素材を使う想定の記入例です。金額や標準仕様を示すものではありません。

  • 横型60秒・1ファイル:自社の採用ページに掲載。職場紹介と社員の説明を組み合わせ、日本語字幕を映像内に表示する。
  • 縦型15秒・1ファイル:SNS用。横型の素材から「仕事内容」を中心に組み直し、縦画面に合わせて字幕位置を調整する。
  • 縦型15秒・1ファイル:SNS用。同じ素材から「入社後の支援」を中心に別編集する。

この例は完成ファイルが3つですが、独立した3件の企画・撮影を指定しているわけではありません。一方で、縦型は横型の中央を切り抜くだけで十分とも限りません。人物と作業箇所が同じ画面に収まるか、字幕が隠れないかを確認し、必要なら縦型向けの構図も撮影計画に入れます。

字幕なし版、別言語版、別の冒頭、別の応募案内を追加するなら、追加ファイルと追加編集を区別して記載します。解像度、画面比率、動画形式、サムネイル画像の有無も、実際の掲載先に合わせて制作会社と決めましょう。「全媒体対応」とだけ書いて終わらせないことがポイントです。

修正費用は、回数と「何をいつ変えるか」を確認する

「修正2回まで」と書かれていても、何を1回と数え、どの変更まで含むかは契約次第です。複数部署が個別に連絡すると、修正指示が分かれたり矛盾したりします。社内窓口を決め、内容をまとめて返す運用と締切を先に設定しましょう。

  • 文字の誤りの訂正:合意した原稿どおりでない誤字など。制作側の誤りと発注側の原稿変更を区別し、回数制限や費用の扱いを確認する。
  • 合意後の原稿・字幕変更:採用条件や説明内容が変わる場合。字幕だけで済むか、音声の収録や別編集も必要かを確認する。
  • 場面の追加・構成変更:初稿を見て別の仕事も載せたくなった場合。既存素材で対応できるか、新規撮影が必要かを分ける。
  • 再撮影:出演者や場所、内容を変えて撮り直す場合。撮影だけでなく、手配・移動・編集への影響も確認する。

見積もり時に、構成案の承認、撮影、初稿、最終確認の各段階で、何を確定するかを決めます。追加作業が必要になったときは、作業に入る前に変更内容・追加金額・納期への影響を提示してもらう形にすると判断しやすくなります。無料回数やキャンセル料を業界共通の条件と考えないようにしましょう。

運送・建設の架空例:撮影できない場合まで依頼条件に入れる

運送会社:1営業所の撮影と縦型への編集

架空の運送会社が、営業所の会議室で社員の説明を収録し、安全に停車した車両の周辺で仕事道具を紹介する案です。同じ日に横型の素材と縦型向けの構図を撮りたい場合は、両方の必要場面を事前に共有します。「1拠点だから短時間で必ず終わる」とは決めません。

営業所側では、運行を妨げない時間帯、撮影区域、出演者の予定、車両・荷主名・配送伝票などの映り込みを確認します。制作会社には、その条件で組める撮影時間と体制を見積もってもらいます。実際の運転中にインタビューする案にはせず、必要な説明は安全な収録場所で行います。

当日に車両や出演者を確保できない場合は、許諾と内容を確認した既存素材を使う案、撮影日を変更する案などを事前に相談します。延期や別日撮影の費用は契約で確認します。質問や収録準備の詳細は採用動画の社員インタビュー質問18選を参照してください。

建設会社:現場許可と工程・天候による変更

架空の建設会社が、事務所で職種の説明を収録し、許可を得た現場で仕事の流れを撮影する案です。現場で撮りたい工程の時期、立入り条件、管理者の確認、映してはいけない情報を先に整理します。撮影のために危険な動作を再現したり、必要な保護具を外したりしないことを前提にします。

見積もりには「現場撮影ができる場合」と「天候や工程変更で撮れない場合」の対応案を示してもらいます。同日に事務所の説明へ切り替えるのか、現場映像を外して構成を変えるのか、別日に再手配するのかで、完成内容と必要作業が違います。別日対応は交通費だけで済むとは限りません。

出演者への説明や素材の利用確認も、撮影前の担当作業として予定に入れます。現場の許可や本人の意思確認を後回しにして撮影し、公開できない映像が残る進め方は避けましょう。

完成動画・元素材・編集データは別々に確認する

納品後に募集内容が変わることを考えると、受け取るデータと更新方法も費用の条件になります。「データ納品」という一言では、完成動画だけか、撮影素材や編集用ファイルまで含むかは分かりません。

  • 完成動画:掲載用に書き出したファイル。字幕などが映像に組み込まれている場合、そのファイルだけで自由に変更できるとは限らない。
  • 元素材:撮影した映像・収録音声など。引渡しの対象、整理の程度、受渡し方法、費用を確認する。未使用の映像も一律に自由利用できると考えない。
  • 編集プロジェクト:編集ソフト上の構成や設定を含むファイル。提供可否に加え、対応ソフト、必要な素材・フォントなど、自社で再編集できる条件を確認する。

完成品を購入したことだけを理由に、映像や音源の権利がすべて自社へ移ると判断しないでください。Web、SNS、広告、説明会での使用、切り出し、再編集、別会社への編集依頼など、予定する使い方を契約前に伝えます。音源・写真・フォントなどの利用条件と、出演者への説明範囲も別々に確かめます。

編集を今後も依頼するなら、データの保存期間、保存終了前の連絡、募集条件や応募先URLが変わったときの更新方法・費用を確認します。公開後に削除や差し替えが必要になった際、自社のどの掲載先を誰が更新するかも決めておきましょう。

見積もり依頼前に揃える8つの項目

依頼文には次の項目を短くまとめます。決まっていない条件は未定と書き、候補案ごとに費用と完成内容を示してもらいます。分からない項目を「不要」「無料」に置き換えないようにします。

  1. 採用する職種と、候補者に動画で理解してほしいこと
  2. 予算上限の税込・税別、希望公開日、社内承認に必要な日数
  3. 新規に撮る場面と、使用確認済みの既存素材
  4. 撮影場所・候補日・拘束時間・出演者・許可や安全上の条件
  5. 完成ファイルごとの長さ・縦横・字幕・音声・掲載先
  6. 自社で用意する原稿・素材と、制作会社に依頼する作業
  7. 修正の数え方、再撮影・延期・キャンセル、追加作業の承認方法
  8. 納品データ・利用範囲・保存期間・納品後の更新方法

見積書を受け取ったら、まず上の条件と一致するかを確認し、そのうえで総額と支払時期を比べます。たとえば同じ「3本」でも、別日の撮影を含む提案と、既存素材の編集だけの提案を、金額だけで優劣判定しないことが重要です。

採用動画の費用は、採用活動での使い方と一緒に整理する

費用を決める前に、「どの職種を、どの場面で伝え、どこで見てもらうか」を整理しましょう。撮影を増やすことや動画を長くすることが、そのまま応募や採用の増加を保証するわけではありません。応募先の情報が正確で、視聴後に仕事内容や募集条件を確認できる導線まで合わせて考えます。

JobProでは、運送会社向けの採用支援建設会社向けの採用支援を案内しています。自社の採用課題と動画の役割から相談したい企業の方は、JobProの採用支援相談フォームをご利用ください。この記事の撮影日数・納品本数・編集条件が、JobProの料金に含まれるという意味ではありません。相談フォームは企業向けのサービス窓口で、求職者の求人応募先ではありません。

参考情報

参考ページ確認日:2026年9月17日。参考情報は各サービス提供会社の解説です。本記事は一律の相場額や法的判断を示すものではなく、契約条件を具体化するための実務上の整理です。

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